符号の非対称性に着目して

これらの方程式を見比べると、対称性の観点から興味深い点に気づきます。

第3式と第4式は、一方が「磁場の変化から電場が生じる」式、もう一方が「電場の変化から磁場が生じる」式ですが、それぞれの変化項の符号が反対になっています。

$$ 第3式:\qquad \nabla \times E=-\frac {∂B}{∂t} $$

$$ 第4式:\qquad \nabla \times B=μ_{0}J+μ_{0}ε_{0}\frac {∂E}{∂t} $$

磁場の変化に対してはマイナス符号、電場の変化に対してはプラス符号です。

これは単なる記号上の都合なのか、それとも物理的な意味を持つのでしょうか。私はこの点に疑問を持ち、実験と数値的な検討を行いました。