初期宇宙で光が遅かったとすれば、光が一定の距離を進むのに長い時間がかかり、その結果、初期宇宙の銀河の年齢も大きくなり、異常に成熟した銀河の矛盾は解消する。
光が遅ければ、宇宙の推定年齢は大きくなる
光が 1年間に進む距離を 1光年と呼びます。単位の名称に「年」が含まれていますが、時間の単位ではなく、距離の単位です。例えば、光が 5億年かかって進む距離が 5億光年です。光速が現在と同じであれば、光が 5億光年の距離を進むのに必要な時間は 5億年です。しかし、仮に光速が現在の 1/10 と遅い場合、遅い光が 5億光年の距離を進むのに必要な時間は 50億年になります。大まかに言うと、宇宙の推定年齢は、銀河などの天体までの距離を推定し、その距離を光速で割って算出しています。したがって、天体までの距離を同じとした場合、光が遅くなれば、宇宙の推定年齢は、ずっと大きくなります。
宇宙の推定年齢が大きくなれば、初期宇宙の銀河の年齢も大きくなる
宇宙の推定年齢が大きくなれば、初期宇宙で発見された銀河の年齢も大きくなります。例えば、宇宙誕生から 3億5千万年後とされていた銀河の年齢を、光が遅かったという仮定で算出すると、宇宙の誕生から 90億年後ということになります。これだけの時間があれば、銀河が発達し、成熟した形になるには十分な時間であり、決して「異常に成熟した銀河」ということにはなりません。