ラグランジアンとは

解析力学でラグランジアン(Lagrangian)という概念が出てきます。ラグランジアンを使用すると、物体の運動方程式が数学的に導出できる、という優れた概念なのです。

このように、ラグランジアンは解析力学における優れた概念であるにもかかわらず、物理的な意味がはっきりしていません。解析力学の教科書的な書籍でも、ラグランジアンの物理的意味については、ほとんど説明がありません。実は、物理的な意味について説明できないのは、ラグランジアンの定義が誤っているからではないでしょうか?

現時点で、ラグランジアン($L$)は、運動エネルギー($T$)と位置エネルギー($V$)の差と定義されています。

 現在の定義 : $L=T-V$

運動エネルギーから位置エネルギーを差し引いたものは、どういう物理的意味を持つのでしょうか? いくら考えてみても、よく分かりません。だから、解析力学の教科書的な書籍でも説明されていないのかもしれません。

運動エネルギーと位置エネルギーの和であれば、全エネルギーを意味するので、物理的意味は明確です。ひょっとすると、ラグランジアン($L$)は、運動エネルギー($T$)と位置エネルギー($V$)の和と定義するべきだったのではないでしょうか?

 新しい定義の提案 : $L=T+V$